1、昔から日本に伝わるお歯黒 |
2、岡山県備前市香登のお歯黒(鑑真和上処方) |
3、和歌山県御坊市に伝わる 御坊の”品かね ” |
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お歯黒は”鉄奬水(かねみず 画像右側)”と 呼ばれる液体と、”ふし粉(五倍子粉)”と呼 ばれる粉末(画像右側)から構成されます。 まず、”かねみず”の作り方ですが、焼いた鉄 くずや針と、粥や茶、麹、酢、酒などを混ぜ、 約2ヶ月くらい軒下など暗所で発酵させます。 すると茶色のドロドロしたむせるほど臭い液体 ができます。これが鉄奬水です。 主成分は酢酸第一鉄です。一方、粉末の”ふし粉 (五倍子粉)”は白膠木(ぬるで)の木(うるし 科)の葉に含まれており、タンニン酸を約60~70 %含む白っぽい粉です。 これらを交互に、又は混ぜて楊枝を使って歯表面 につけるのです。 反応様式は、酢酸第一鉄がゆっくりゆっくりと 酸化されて酢酸第二鉄に変わっていきます。 そして、ふし粉のタンニン酸と反応していき黒色 で不溶性のタンニン酸第二鉄ができます。これが お歯黒の正体なのです。 お歯黒はこのタンニン第二鉄が歯表面の亀裂やエ ナメルの管の中に入り込み、黒くなるのです。 お歯黒は次第に色あせていきます。歯に染み込む のではなく、歯に入り込み、黒く付着するだけな のです。ですから週に1~2回はお歯黒をつけない と色あせてみっともなくなります。 |
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五倍子粉(ふしこ) 1200匁 それぞれ 3.5:2:1の比で混合された。
これら3種類の物を混合したものを、水で
鑑真和上が伝えた香登のお歯黒は何と言っても、 |
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五倍子粉 260g
天保年間に和歌山で香登のお歯黒に似た処方で
実際作ってみると、なかなか歯表面に付きやす
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